SLAとは?
SLA(Service Level Agreement)とは、クラウドサービスを提供する側と利用する側の間で、サービス内容や障害時の責任の所在、違反行為の際のペナルティなどの内容を詳細に規定したものを指します。
SLAは日本語でサービスレベル合意、サービス品質の保証契約と呼ばれていて、クラウドサービスを利用するユーザーに向けて作成します。
製品を購入した際に付属してくる保証書のようなもので、サービスの提供者と利用者の間に認識のズレがあると、システムエラーが発生した際に意見が食い違う可能性があります。契約の範囲内のシステムエラーなのか、どちらに責任があるのかが明確でないとトラブルに発展しかねません。そうした問題を防ぎ、万が一トラブルになってもスムーズな解決を実現するために、SLAは作られています。
実際のSLAをご紹介
実際にクラウドサービスを提供する企業のSLAについて、2つ紹介します。
AWSのSLA
AWS(Amazon Web Services)は世界中にテクノロジーサービスを提供するクラウドです。大手企業だけでなくスタートアップ企業や政府機関などもサービスを利用しています。そんなAWSのSLAでは、以下のようなものを定めています。
- サービスコミットメント(月間稼働率)
- サービスクレジット
- クレジットの申請と支払手続き
主にサービスの稼働率と、規定の月間稼働率を下回った場合のサービスクレジット(返金額)について定めています。AWSではサービスの月間稼働率が95.0%未満の場合、100%のサービスクレジットを請求できます。
SlackのSLA
Slackはデスクワークの生産性を向上させるコミュニケーションプラットフォームです。多くの企業が利用しており、リモートワークにおいてもコミュニケーションやチームでの連携を深められます。そんなSlackのSLAでは、以下のようなものを定めています。
- ダウンタイム
- アップタイム
- 計画的ダウンタイム
- Slackクレジットポイント
サービスが利用できる時間とできない時間、メンテナンス、規定のアップタイムを下回った場合のクレジットポイントについて定めています。Slackでは99.99%のアップタイムを下回った場合、利用できなかった時間分の料金×10のSlackクレジットポイントをリクエストできるようになっています。
このように、SLAではクラウドサービスの稼働率を示し、目標稼働率を実現できなかった場合の返金について具体的な数値で示しているものが多いです。他にも、サービスのトラブルの際の通知やデータのバックアップなど、ユーザーが安心して利用できるようにSLAを作成しています。
SLA作成時の注意点
SLAを規定する際には注意点があります。SLAの内容は、AWSやSlackのSLAのように月間稼働率と未達時の対応や補償方法、責任範囲の明確化などがありますが、設定項目は長期的に実現可能な数値に設定しましょう。
目標の稼働率や品質が達成されないと、利用料金の返金による会社の負担は大きくなります。さらに、サービスを利用するユーザーはSLAの規定で掲げた稼働率や品質に到達しないサービスをこれからも利用しようとは思いません。契約を解除され顧客の減少、売上の低下に繋がります。適切で実現可能なSLAを作成しましょう。
また、SLAの設定項目が多すぎると、管理や運用にかかるコストが増えてしまいます。ユーザーが安心する内容に関連する項目だけ設定するようにしましょう。
コミュニケーションアプリBuddycom(バディコム)のご紹介
クラウドサービスに必要なSLAですが、コミュニケーションアプリのBuddycom(バディコム)はSLAに従って充実した稼働率を実現し、お客様に安心して利用して頂いています。Buddycomとは、フロントラインワーカーを繋げ、チームでのリアルタイムコミュニケーションを実現するスマートフォンIP無線アプリです。
業務で使用する無線機やインカム、トランシーバーの使用において、通話エリアや音声の不感地帯、混信といった問題を抱えていませんか?それによって業務に支障が出てスムーズに進まないことに、不満はありませんか?
Buddycomなら、それらの問題や不満を解決できます。Buddycomは現場とのコミュニケーションにおいて「かんたん・はやい・間違わない」を実現します。フロントラインワーカーの移動・伝達・確認業務を削減し、現場での業務の実現をサポートするコミュニケーションアプリです。では、Buddycomのアプリで利用できる機能を一覧で紹介します。
1.現場の音声コミュニケーションを円滑にする
音声テキスト化
通話の音声をテキスト化する機能です。音声テキスト化を利用すると、通話の音声データが文字に起こされます。通話履歴を再生しなくても通話内容を一目で確認できます。通話内容を聞き逃したりメモ不足だったりすることがあります。その都度通話する手間を省き、作業を効率的に進めるために音声テキスト化が有効です。
トランシーバー翻訳
通話音声を設定した言語に翻訳できる機能です。翻訳したテキストを読み上げる機能もあります。発話した音声を同時に複数の言語に翻訳できます。グローバルな事業であれば言語の違いに苦戦することもあるので、トランシーバー翻訳によってスムーズなコミュニケーションが可能です。音声テキスト化やトランシーバー翻訳によって、現場でのコミュニケーションを可視化できます。
通話履歴の再生
通話履歴がサーバーに保存され、音声データを再生できる機能です。通話履歴の保存期間は、「Talk Lite」、「Livecast Lite」であれば24時間、「Talk Enterprise」、「Livecast Enterprise」であれば744時間(約1ヶ月)保存され、その期間であれば通話の音声データを再生できます。音声テキスト化やトランシーバー翻訳で分かりにくい場合は、通話履歴を再生することで認識のズレやトラブルを防ぎます。
2.リアルタイムでのグループコミュニケーション
グループ通話
通話が行われているグループで発話と受信が同時に行える機能です。同時に通話できるユーザー数やグループ数に制限はなく、1グループあたり2,000ユーザーが同時に発信できるようになっています。ただし、発話ができるユーザーはグループあたり最大8人です。リアルタイムでの通話が可能なので、相手の返答を待つことなくスムーズなコミュニケーションが取れます。
企業間通信
社外(異なるテナント)のユーザーとグループ通話やチャットができる機能です。企業間通話は2社間でのリクエストと承認が必要なので、意図せず第三者との通信が行われたり情報が漏洩することはありません。2社間でのリクエストと承認が完了すれば、企業間通信によってコミュニケーションができるようになります。
マルチグループ受信
発信先に指定しているグループとは別のグループも、同時に通話できる機能です。複数のグループが同時にコミュニケーションを取れます。グループ間で情報共有をしたい場面で役立ちます。現場の違う複数のグループにも同時に情報を伝えることができ、スピーディなコミュニケーションが可能です。
強制起動
通話先のグループや個別通話先のユーザーのBuddycomアプリを強制的に起動させる機能です。チャット機能で利用できるアラートを送信し、受信したユーザーはBuddycomアプリが強制的に起動します。災害といった緊急事態が発生した際に、強制起動機能を利用することで従業員に素早く連絡できます。
3.ライブキャストによる映像での情報共有
リアルタイムの映像を配信しながらグループ通話ができる機能です。
通話やチャットだけでは伝わりにくい要素も、映像配信によってスムーズな情報共有ができます。現場の状況を共有しながらのグループ通話も可能なので、正確かつリアルタイムな情報を共有できます。
4.お互いの位置情報を把握してエリアごとのコミュニケーション
位置情報の確認
自分自身と、グループ内の他のユーザーの位置情報を確認できるマップが表示される機能です。設定から「現在地の取得」と「位置情報の送信」をオンにすることで利用できます。グループ内のユーザーの位置情報を把握でき、ユーザーが通話を受信しているかも確認できます。
MAP通話
マップに位置情報が表示されたユーザーに対して、通話ができる機能です。マップ画面には青枠が表示され、青枠内にいるユーザーに対してMAP通話ができます。エリアごとに連絡を取りたいときに、MAP通話によって場所を確認する手間が省けます。
これらの機能に加えて、SSL・TLSによる通信データや保存データの暗号化やSAML認証、認証コードによるログインといったセキュリティ面も安全なので、企業情報や従業員の個人情報は守られます。
Buddycomアプリの機能や設定、通話履歴は管理コンソールが一括で行います。企業の運用方針に合わせた機能にカスタマイズできたり、ユーザーがアプリの設定をする手間が省けたりと、Buddycomアプリの管理も簡単です。
大手企業の導入実績が多数
Buddycomは多くの企業に導入され、利用されています。様々な職種の方や現場で活用されていて、大手企業の導入実績も多数あります。ここでは、Buddycomを導入する大手企業を一部紹介します。
JALエンジニアリング
航空機の整備を行い、安全な運航を支える航空機整備会社であるJALエンジニアリングでは、2018年からBuddycomを導入しています。Buddycom導入以前は無線機で連絡を取っていました。しかし、無線機のサイズが大きいため従業員の負担になる、24時間の作業に充電が追い付かないといった課題があり、管理が煩雑になっていました。
また、航空機の着陸から離陸までに行う便間整備では、エンジンが回る騒音によってノイズが発生しやすく、通話が聞き取りにくい課題もありました。Buddycomを導入したところ、無線機を使用せずスマートフォンにコミュニケーションツールが集約され、荷物の重量を500g軽くなり、従業員の負担が減りました。また、準備する端末数も減らせたことでコストの節約を実現しました。
加えて、Buddycomに搭載されているノイズキャンセリング機能によって、通話音声をクリアに聞き取れるようになりました。聞き逃した場合も、通話履歴の保存によって通話の手間を減らせました。
東日本旅客鉄道(JR東日本)
東日本エリアを中心に鉄道路線網を有するJR東日本でも、Buddycomが導入されています。
Buddycom導入以前はIP無線機の台数が限られており、イベント時やお盆、年末年始、GWといった再繁忙期には、他箇所から無線機を借りるなどの対応をしていました。イベント時に駆けつけてくれる応援者を含め、全ての係員とスムーズな情報共有ができる連絡手段を必要としていました。Buddycomを導入したことで、係員同士の連絡ツールをタブレット1つに集約できました。持ち運びがスムーズになり、再繁忙期の応援者を含めた全ての係員とのスムーズな情報共有を可能にしました。
また、通話だけで伝わりにくい現場の状況をライブキャストで映像共有できるようになり、係員の現場状況の把握、スムーズなお客様の案内に役立っています。
イオンリテール
全国に約400店舗、従業員数約85,200人の総合小売業のイオンリテールでは、店舗オペレーションの場面でBuddycomが利用されています。店舗での慢性的な人手不足により、非効率的な接客応対が課題とされていました。1人当たりの作業負担量が多く、コミュニケーションが不十分なシーンもあるため、十分なお客様の応対・サービスの実現が難しくなっている状況でした。
Buddycomの導入によって、従業員間の情報共有が簡単かつ早くなり、お客様への応対・サービスが向上しました。早朝オペレーション・レジ応援・復職エリアや住余エリアにおいて、商品の問い合わせへの対応や繁忙時の応援依頼がスムーズになりました。
また、グループでの双方向通話や個別通話でスムーズなコミュニケーションが可能になりました。Buddycomでコミュニケーションが向上したと実感する従業員の方々も多く、高い評価を得ています。
医療法人永寿会 シーサイド病院
療養型の介護医療専門病院であるシーサイド病院は、療養施設の提供、病状の回復ケア、在宅支援などを行っています。
シーサイド病院では通所リハビリも行っていますが、各部屋が壁で仕切られている間取りになっています。そのため、スタッフは大声でコミュニケーションを取ったり移動による呼び出しがあったりと、非効率と感じる場面が多かったそうです。
Buddycomを導入することで、介護スタッフとリハビリスタッフのコミュニケーションがスムーズになりました。通所リハビリの利用者から目を離す場面も減り、安全かつ適切な対応が実現されています。
また、シンプルな操作でコミュニケーションが取れるので、高齢のスタッフでも使いこなせています。スタッフ同士のコミュニケーションや情報共有がスムーズになり、緊急事態時の迅速かつ正確な対応が可能です。患者さんの容態変化や転倒などのリスクを防げるようになり、介護サービスの向上を実感して頂いています。
まとめ
SLAの概要や作成時の注意点を紹介しました。
クラウドサービスの利用における規定は、ユーザーが安心して利用するために重要です。契約内容を明確にして、トラブルの予防やクラウドサービスのアピールなどに活用しましょう。
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