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MCA無線とは?災害に強いのは本当なのか、IP無線との違いについても解説

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MCA無線とは?災害に強いのは本当なのか、IP無線との違いについても解説

広域で使用できる無線として利用されているMCA無線は、企業ごとの業務用連絡、または災害等が起こったときの緊急連絡に使われてきました。災害時の連絡手段として活躍するなど現在でもMCA無線機を多くの利用者がいます。

この記事では、企業内の通信手段としてMCA無線の導入を検討している方に向けてMCA無線の概要や特徴、災害時に強い理由を解説し、IP無線と比較、最後に次世代のスマートフォンインカム「Buddycom」について紹介します。

MCA無線とは

MCA無線とは、一般財団法人の移動無線センターが提供している無線通信サービスのことを指します。1982年からサービスが開始され、現在でも多くの企業で利用されている歴史と実績のある無線通信です。当時としては他にない通信機能で、広域な通信エリアを確保していました。

MCA無線の仕組みとしては、全国に設置されている基地局が確保している通信エリア内であれば無線機によって連絡を取ることができるようになっています。MCA無線を利用するには陸上無線協会への免許申請が必要ですが、MCA無線を販売しているお店が代行してくれるので特別な免許は必要ありません。

MCA無線の利用シーンとしては、通常時では支店間の業務連絡用に利用されます。

業務中に隣県や離れた場所にいる人と連絡を取る業界がMCA無線を使っていて、タクシーや運送業、物流といった人や物を運ぶ仕事に携わっている人が利用しています。また、地域ごとの協会や自治体などの連絡手段としても利用されています。

MCA無線サービスが開始された1982年では現代のスマートフォンのように仕事中片手で電話することが難しかったので、無線機を使用して業務中でもスムーズに連絡できるMCA無線を利用する企業が多くありました。

MCA無線は災害に強いのか

災害の風景_AI生成

MCA無線は業務連絡以外にも、災害に強いというメリットがありスマートフォンやIP無線が普及している現代でも利用されています。緊急時の連絡手段として信頼されています。

なぜ災害に強いかというと、MCA無線を利用するための専用の周波数があり、管理は国ではなく移動無線センターが行っているので災害時に電波が悪くなったり通信が遮られたりするといったことが発生しないからです。移動無線センターが専用に管理する局舎が無線によるやり取りを可能にする通信環境を作っているので、災害時でも安定した通信環境の確保が可能で、連絡を取ることができます。

地震などの災害が発生すると、スマートフォンやIP無線の通信を可能にする基地局は電波が悪くなったり警察や政府の無線が優先されたりするため、災害時にスマートフォンを使って情報収集するのが難しくなります。MCA無線であれば専用の周波数を発している基地局があるので、通信が遮られることなく連絡が取り合えます。また、移動無線センターの基地局が利用できない場合でも、LTE通信によって連絡を取ることも可能です。
MCA無線は災害時の通信環境を安定させてくれるという強みがあり、実際にMCA無線は日本で起きた様々な災害時に役立っています。

例えば、2011年3月11日に発生した東日本大震災では宮城県で甚大な被害が出ましたが、石巻市の石巻中継局は地震に耐えることができました。他の通信インフラが停止していた期間連絡手段としてMCA無線が活躍し、被害地との連絡を可能にしました。

また、2020年7月に九州地方や東海地方で発生した大雨による災害時にも、非常用発電装置によって停電することなくサービスを提供し続け、安定した通信環境を維持しました。被害が甚大だった熊本県人吉市では、人吉中継局がMCA無線をレンタルして復旧活動にも貢献しました。
このように専用の局舎と周波数を提供したサービスなので、災害時であっても安定した通信ができるというのが、MCA無線の強みと言えます。

MCA無線とIP無線の違いとは

MCA無線と同じ通信システムとしてIP無線があり、全国規模での通信を検討している場合はMCA無線かIP無線のどちらかを利用することになります。MCA無線とIP無線を比較してみる前に、まずはIP無線について解説していきます。

IP無線とは、携帯電話の回線を利用して従来の無線機のようにトランシーバーなどで複数人との連絡を取ることができる無線システムのことです。IP無線が作られたのはMCA無線より後なので、携帯電話の回線を利用したシステムが構築されていて機能面ではアドバンスが優れています。

特徴としては携帯電話の回線が利用できるので通話できる距離が長いという点です。それまでの無線機では通話距離に限界がありましたが、IP無線の場合携帯電話の回線がある地域であればどんなに離れていても通話可能なのです。また、障害物によって電波が悪くなるといったこともないので、安定した通信環境を提供してくれます。

MCA無線とIP無線は同じ無線サービスを提供するシステムですが、MCA無線は移動無線センターの専用の基地局、IP無線は携帯電話の回線を通して無線を利用できるようにしているという違いがあります。同じ無線を提供していますが、電波の伝わり方が異なっています。

それを踏まえた上で、MCA無線とIP無線を比較していきましょう。

MCA無線とIP無線の比較

MCA無線対IP無線

全国規模で通信しようとすれば、MCA無線とIP無線のどちらを導入するか、選ぶのに迷う方もいるかもしれません。MCA無線とIP無線で比較し、どちらを導入するべきかの参考にしてみてください。(画像元:TELCOM様のIP無線機MCA無線機

通話機能

MCA無線とIP無線どちらにおいても通話機能はほとんど変わりません。無線機で離れた従業員と通話することができます。個別通話やグループ通話といった通話機能を使うことができるので、MCA無線かIP無線どちらを選んでも通話機能が劣るといったことはありません。

また、MCA無線の場合は基地局利用料以外の有料オプションに加入すれば同時通話も行えるようになります。一方からしか音声を受け取れないのではなく、電話のように同時に通話することができるようになるプランもあります。

通話範囲

ビル_横幅1200px

通話範囲についてはIP無線の方が広域をカバーしているため、広く無線機でやり取りすることができます。
MCA無線の場合基地局が設置されているエリアであれば問題なく通話ができますが、基地局がないエリアだと通話ができないというデメリットがあるので、田舎の地域や山間地域といった住民の少ない地域では基地局が設置されていないケースもあり通話範囲は広いとは言えません。

一方でIP無線は携帯電話の回線を利用するため、電波の届かない地域では圏外となり通話できませんが、それ以外の場所であれば電波が届かないといったことはないので、広い範囲で通話することができます。また、田舎や山間地域であっても現代の回線であれば多くのエリアはカバーされているので、問題なく通話できます。

現代のスマートフォンの普及度やインターネット回線の充実度からして、基地局の範囲内でのみ通話できるMCA無線に比べてIP無線の方が広い範囲で通話できます。

利用料金

MCA無線とIP無線どちらを利用する場合でも、利用料金が発生します。
MCA無線の場合基地局を利用するために料金が必要になるので、業務でMCA無線を使用する場合は料金を支払わなければいけません。料金は基地局によって異なりますが、相場は2,000円~2,500円かかるとされていて、月ごとに料金を支払うことでMCA無線を利用できます。

一方でIP無線はNTTやソフトバンクといったキャリア通信にかかる料金を支払うことで利用できるようになります。料金は会社によって異なりますし、プランも多いので料金に幅があります。

利用料金を比較すると、IP無線の方が安くなるということが分かります。IP無線はプランによってはコストを安く抑えることができるので、毎月の利用料金をMCA無線より少なくできます。

災害時の通信環境

災害が発生したときの通信環境の確保については、MCA無線が優れていると言えます。
MCA無線は専用の基地局から発信する周波数で通信できるようになっているので、基地局が地震によって倒壊したり電気が落ちたりしない限りMCA無線を利用することができます。実際の災害時にも活用されていた事例もあり、災害時に強いという実績があります。災害時に備えた対策としては、MCA無線は有能です。

一方でIP無線は、災害が発生するとアクセスが集中したり情報伝達のために警察や政府、消防などが無線を優先的に利用したりすることによって、繋がりにくくなってしまう可能性があります。また、インターネットが繋がらない場所ではIP無線を使えなくなってしまうので、災害時の連絡手段の確保は難しいと言えます。

地震や台風といった災害時の緊急連絡手段としては、MCA無線が優れています。

以上の4つのポイントからMCA無線とIP無線を比較してきましたが、どちらにもメリットとデメリットがあります。通話範囲や利用料金など普段使うのであればIP無線を利用するのがおすすめですが、災害時の緊急連絡手段としてはMCA無線が優れています。

そもそもMCA無線のサービスが提供されたのが1982年であり、IP無線も携帯電話の回線を利用しているといった数年前のサービスなので、現代で欠かせないサービスに対応できないといったデメリットとなる点もいくつかあることを把握しておきましょう。

MCA無線の後継機はスマホインカム

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災害に強い無線システムのMCA無線について紹介してきましたが、サービスの提供が数十年前なので現代では使いにくさを感じやすくなってしまっています。

一般財団法人移動無線センターは5月に、800MHz帯デジタルMCAの新規受付の終了を発表しました。今後サービスの終了についても総務省と協議していくとのことで、MCA無線を利用してもサービスが終了してしまうリスクがあります。

また、MCA無線やIP無線を利用するにはトランシーバーやインカムで通話するため、現場での作業をする際に荷物となって従業員の負担になることもあります。トランシーバーやインカムを現場で利用するためには、購入費用やデータ管理、充電、通信環境の整備など時間とコストと労力が必要になります。

こうした課題を解決し、MCA無線の後継者として今後活用できるのがスマホインカムの「Buddycom」(バディコム)です。Buddycomはトランシーバーやインカムのような通信機能を搭載、さらにライブキャストやAIといった機能でスムーズなコミュニケーションを実現するアプリです。

Buddycomは様々な機能が搭載されていますが、特徴的な機能を4つ紹介します。

1.TALK画面で簡単操作で通話ができる

TALK画面_iPhone

Buddycomアプリをインストールして業務の連絡手段として活用することで、画面を移動したり複雑な操作をしたりする必要なく通話を開始することができます。

トランシーバーやインカムでは持ち歩いたり身につけたりする必要があり荷物になることもありますが、スマートフォンやタブレットの場合コンパクトなサイズのものにすれば荷物になることもなく、作業中に連絡を取りやすくなります。

個別通話やグループ通話といった基本的な通話機能は「TALK」画面から操作することができるため、スムーズに通話を始められます。

2.通話内容のテキスト化、自動翻訳

CHAT画面_iPhone

現場で作業していれば通話に出られないといったこともあるかもしれません。そんなときに役立つのが、通話内容のテキスト化と再生です。通話内容をテキストにしてチャット画面に表示してくれるので、電話に出られなくても通話内容をテキストで把握することができます。テキストでは分かりにくい部分は通話履歴を再生することで誤認識することなく情報共有することができます。

また、従業員に外国人がいる場合は自動翻訳が効果的です。

グローバル化が進む中で外国人が作業現場に加わることは珍しくありません。その際に通話内容が聞き取れないと作業効率は下がってしまうので、自動翻訳によって通話データが設定した言語でテキストに起こされます。それによって手を止めることなく情報共有ができます。

他にもテキストの読み上げといった、作業をしている中で手を止めないようにする機能が搭載されていて、効率よく作業を行うことができます。

3.MAPでメンバーの位置を確認しピンポイントで通話できる

MAP画面_iPhone

BuddycomではMAPでメンバーの位置情報を確認できるので、エリアごとに通話することができます。

エリアによって作業内容は異なるので、指示を出したりヘルプを頼んだりする場合は相手が今どこにいるのか把握することが大切です。相手の位置情報が分からないと何度も通話することになり時間と手間がかかってしまいます。

メンバーがどこで何をしているのか、MAP機能で把握できるようになることで通話を最小限に抑えることができます。ピンポイントでメンバーに伝えたいことを伝えられるメリットがBuddycomにはあります。

4.ライブキャストによる現場状況の共有

LIVE画面_iPhone

通話やテキストでのやり取りだけでは伝えにくい情報もあります。現場の混み具合や説明しにくい状況を通話やテキストで伝えようとしても、かえって時間がかかってしまいます。

Buddycomにはライブキャスト機能が搭載されていて、ライブ動画を配信することで通話相手に現場の状況を映像で伝えることができます。これによって説明に時間をかけることなく正確に状況を伝えられるようになり、スムーズなコミュニケーションが可能になります。

ライブ動画の配信中にも音声でやり取りできるので、説明を加えたり情報共有したりすることができます。リアルタイムでの情報を映像で伝えられるのが、Buddycomの特徴です。

この4つ以外にも、企業間通信や強制起動、AIといった機能も搭載されていて、現場でのコミュニケーションをスムーズで正確なものにしてくれます。まさにMCA無線の後継者として今後のコミュニケーションツールとして活躍できます。

MCA無線やIP無線を利用してトランシーバーやインカムで現場とコミュニケーションを取っているという方は、ぜひBuddycomの導入を検討してみてください。

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